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セキュリティツールとはどんなもの?ツールの種類や選び方をご紹介


情報セキュリティに欠かせないセキュリティツール。近年ではサイバー攻撃も多様化し、ソフトウェアやOSを最新に保つだけでは情報資産を守り切ることが困難になってきています。それに伴ってセキュリティツールも進化し、トータルソリューションとしてのツールや特定の機能に特化したツールまで、さまざまな種類のものがリリースされています。利用者としては選択肢が増えた半面、どのツールを使えばいいのかが判断できないという悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。本記事ではセキュリティツールの種類や選ぶ際のポイントなどについて紹介していきます。

セキュリティツールとは

セキュリティツールとは、サイバー攻撃や内部不正などの危険からコンピューターやネットワークを含む情報システム全般を守るためのツールの総称です。ひとえにセキュリティツールといってもさまざまな種類があるため、適切なツールを選択し導入することが重要です。


セキュリティツールにはどんな種類がある?


セキュリティツールとしては、以下のようなものがあります。


  • ・メール暗号化ソフト
  • ・VPNソフト
  • ・ファイアウォール
  • ・SSLサーバー証明書
  • ・サンドボックス
  • ・ワクチンUSB
  • ・脆弱性診断ツール

それぞれのツールの特徴を簡単にご紹介します。

メール暗号化ソフト

メール暗号化ソフトは、メールに含まれるデータや重要な情報を守るために、メール内容を暗号化するソフトウェアです。GmailやOutlookなどのメールソフトにも暗号化機能が備わっていますが、メール暗号化ソフトは暗号化の他にも機能を有しており、メール業務の効率化が図れます。機能としては、添付ファイルの暗号化や、パスワードの送信の自動化、送信前に確認のポップアップを表示する機能などが挙げられます。誤送信対策機能を備えたサービスがあれば、ヒューマンエラーも防げるでしょう。

またメール暗号化ソフトの代表的なプロトコルは、メール本体や添付ファイルを暗号化する「PGP・S/MIME方式」です。「PGP・S/MIME方式」のツールは、広く情報の暗号化に使われるプロトコル「SSL/TLS方式(SSL 暗号化通信)」と併用されるケースもあります。

VPNソフト

VPN(Virtual Private Network)は、仮想化された専用通信網です。物理的に専用回線を使うには機器の設置や各種設定が必要となりますが、VPN接続では共用の回線を技術的に仮想の専用回線にできます。VPN接続を実現するソフトをVPNソフトといいます。VPNソフトを使えば、インターネット接続の暗号化を行ってデータの傍受・盗聴などを防ぐことができます。

ファイアウォール

ファイアウォールは、組織の外部から内部のネットワークに侵入するウイルスやマルウェア、そのほかのサイバー攻撃から情報システムを守るソフトウェアです。ネットワーク上のパケットを監視して、ルールにもとづいて通信を通過させるかどうか判断する「パケットフィルタリング」や、特定のIPアドレスなどに対してアクセスを制限する「アクセス制御」などの機能を有します。高度なファイアウォールでは、不正アクセスなどの疑わしい通信を検知する「侵入検知システム(IDS)」や、疑わしい通信を検知・遮断する「侵入防御システム(IPS)」の機能を備えています。

SSL/TLSサーバー証明書

SSL/TLSサーバー証明書は、Webサイトの運営者の実在性を証明し、Webブラウザーとサーバーの間で通信の暗号化を行う電子証明書です。SSLサーバー証明書には暗号化に使われる「鍵」が含まれており、Webブラウザーとサーバーの間で送受信される通信データを暗号化します。暗号化されたデータはSSLサーバー証明書に含まれる秘密鍵でしか解読ができない仕組みになっており、通信の安全性を確保することができます。

サンドボックス

情報セキュリティ分野における「サンドボックス」は、組織が通常利用している情報システムの領域から隔離し保護された空間に構築される仮想環境のことです。サンドボックスの領域内で外部からメールなどで送信されたプログラムなどを実行し、それらの安全性や有効性、情報システムへの影響度合いを確かめるために使用されます。隔離された空間でプログラムが実行されるため、たとえプログラムが不正な動作をしたとしても、本体の情報システムに影響を及ぼさずに被害を防止できるという利点があります。

ワクチンUSB

ワクチンUSBは、USBメモリを用いたウイルスチェックのためのツールです。ワクチンUSBをPCに接続すると、ウイルススキャンが自動で実施され、ウイルスが発見された場合には削除や隔離が行われる、という仕組みです。ウイルスソフトをインストールすることはなく、1つのワクチンUSBで複数台のPCに対するウイルススキャンを行えます。

脆弱性診断サービス

脆弱性診断サービスは、自社で運用しているWebサービスや組織内の情報システムに対して模擬攻撃をしかけ、セキュリティ上の脆弱性がないかを確認するものです。近年のサイバー攻撃には、情報システムや機器の脆弱性を突いた攻撃が多く見られます。脆弱性診断サービスを実施して脆弱性を明確にすることで、情報漏えい対策やなりすまし対策にもなります。また必要なセキュリティ対策が明示化されるため、情報セキュリティ対策に関わるコストを最適化することが可能です。脆弱性診断には、ツールを用いた自動診断と、専用スタッフによる診断サービスがあります。

セキュリティツールを使う意味


ここまで、さまざまなセキュリティツールを紹介してきました。これらのセキュリティツールを導入する主な目的としては、以下の3点が挙げられます。

ウイルス・マルウェア対策

ウイルスやマルウェアにPCが感染すると、PCのパフォーマンスが低下し、ファイルやデータが勝手に削除されたり盗取されたりするなど、悪影響を及ぼします。また、感染したPCをそのままにしておくと、他のPCやサーバーへも感染が広がっていき、被害は拡大していきます。したがってウイルスやマルウェアに感染しないように予防すること、感染した場合には検知後速やかな対策を行うことが必要です。

先に挙げたセキュリティツールのうち、ウイルス対策ソフトやワクチンUSBは、ウイルス・マルウェア対策となるツールです。

情報漏えい対策

個人情報や重要な企業情報が漏えいすると、その組織の信用が大きく損なわれます。それだけでなく、事後処理や問い合わせ対応のために通常業務を中断しなければならなくなり、組織の業務にも支障が生じ、ひいては企業経営が危うくなってしまうでしょう。また情報の持ち主が二次被害を受ける可能性も否定できません。過去には情報漏えいに関連して、情報の持ち主に対する損害賠償の支払いが発生した例もあります。

こうした情報漏えいの対策としては、メール暗号化ソフトや、脆弱性対策ツールが効果的です。

不正アクセス対策

不正アクセスは、本来アクセス権を持たない者が情報システムの内部に侵入する行為です。悪意ある第三者は不正アクセスを皮切りに、ツールを用いるなどして、内部の情報を盗取したりサーバーや情報システムを停止させたりします。不正アクセスの方法は、情報システムの管理者アカウントを不正に入手する、脆弱性を突いて侵入するなどです。また不正アクセスが起きた後には、侵入者がその後も侵入しやすくなるように「バックドア(裏口)」が作られます。

不正アクセス対策を行えるツールとしては、ファイアウォールやパスワード管理ツールなどが挙げられます。

セキュリティツールはどうやって選ぶ?


セキュリティツールは多様であり、「このツールさえ入れておけば安心」という類のものではありません。セキュリティツールを選ぶ際は、「組織内で何への対策が不足しているか」「誰が、どのデバイスで、どれくらいの期間用いるのか」を考えることが基本です。まず現状の課題を確認するために、脆弱性診断サービスを利用することをおすすめします。脆弱性診断サービスを受けると、セキュリティツールが最新でない、あるいはツールの機能が重複していて過剰なコストが発生していたりするなどの事態を見つけることができるでしょう。

ほかにセキュリティツールを選ぶポイントとして、ツールのサポート体制も重要です。ツールを提供しているベンダーのなかには、ITの専門家が少ない組織に対して専門家を派遣し、ツールの使い方をサポートする取り組みを行っているところもあります。セキュリティツールの知見が少ないのであれば、サポート体制が整っているツールを選ぶようにしましょう。


法人での利用の場合、DocuTrackerの導入もおすすめ


外部からサイバー攻撃を受けたときや内部不正が起きたときには、できるだけ早く対処しなければなりません。ファイルが改ざん・変更されたことがすぐにわかれば、サイバー攻撃や内部不正にもすぐに気づくことができます。ファイルの改ざんにすぐ気づくためには、ファイルが改ざんされていないことを証明できるサービスが効果的です。自社のデータにタイムスタンプを付与するサービスを使えば、ファイルが改ざんされていないことを証明することができます。

DocuTrackerでタイムスタンプを自動付与
DocuTrackerは、クラウドストレージにアップロードしたファイルに自動でタイムスタンプを付与するサービスです。DocuTrackerの特長は、ブロックチェーン(※)の技術を活用してタイムスタンプの生成を行っている点にあります。ブロックチェーンに記録されたデータを改ざんしようとすると、前後のデータの不整合が起こることから、改ざんが極めて困難な仕組みとなっているのです。さらにDocuTrackerは改ざん証明だけでなく、誰が操作したかを見える化できる「ドライブユーザー」機能も備えています。情報漏えいの際などは特に、原因究明の一助となるでしょう。

OneDrive、Dropbox、Boxという代表的なクラウドストレージサービスに対応しており、現在の情報システムを大きく変えずに利用することが可能です。


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※ブロックチェーン……暗号技術を用いて分散的に処理・記録する技術。DocuTrackerはテックビューロ株式会社が開発・販売しているプライベートブロックチェーン「mijin」を利用しています。


まとめ


近年多様化しているサイバー攻撃に対応するため、セキュリティツールも進化しています。特定のツールを入れたから安心ということはなく、さまざまなツールなどを複合的に組み合わせて活用することで、セキュリティを強固にしていくことが重要です。ただ、セキュリティツールを導入するのにも、当然コストや手間がかかります。用途に応じたさまざまな種類のツールがあるため、導入の際は自社のニーズに応じた適切なツールを選ぶようにしましょう。