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(改正)電子帳簿保存法対応のタイムスタンプの仕組み
今回はDocuTrackerによるタイムスタンプの生成方法と、それがどのように電子帳簿保存法に対応しているかについて、技術的な仕組みを含めてなるべく簡単・簡潔にご説明してみます。
タイムスタンプの重要な役割
電子帳簿保存法では、タイムスタンプが特に重要な役割を果たします。
この法律の下で、タイムスタンプは付与された時刻に文書や電子データが存在していたことを証明するものです。
今回(2024年1月)の法改正により、タイムスタンプの要件は以下のように緩和されました。
- 入力期間内にタイムスタンプを付与し、本人または監督責任者情報を確認できる
- 削除・訂正の履歴が残るシステムを利用する
- 削除・訂正ができないシステムを利用する
- 入力や訂正、削除に関する規程を定め、その規程に沿った運用を行う
DocuTrackerの役割
DocuTrackerは主要なクラウドストレージを使用するお客様に対して、従来の使い勝手をそのまま維持しながらタイムスタンプ要件を満たす補助アプリケーションとして機能します。
本アプリケーションは、タイムスタンプの生成にブロックチェーン技術を使用します。では、なぜブロックチェーンが重要なのでしょうか?
ブロックチェーンによる安全性
ブロックチェーンを使ったタイムスタンプ生成の最大の利点は不変性(変わらないこと / 変化しないこと)です。
一度ブロックチェーンに記録されるとデータは改ざんが不可能です。
これはブロックチェーンが連鎖的なデータブロックを作成し、それぞれのブロックが前後のブロックと密接に関連しているためです。
また、本アプリケーションはプライベートブロックチェーンを使用して管理しています。
これはパブリックブロックチェーンと異なり、特定の組織が単独で管理・運用する必要があります。
プライベートだと内部不正からデータベースのように簡単に改ざんできるのでは??と思われるかもしれませんが、安心してください。ブロックチェーンは一度ブロックに記録したデータを改ざんをしようとすると前後のブロックと不整合が発生します。
この改ざんしたブロックの歴史は改ざんしたデータがあるブロックから巻き戻り新たに歴史が作られるか、不整合からブロックチェーンが停止するような状況となります。
そのため、プライベートブロックチェーンであろうとパブリックブロックチェーンと同等なセキュリティレベルで提供が可能なのです。
DocuTrackerのタイムスタンプ生成のフロー
- ファイルのアップロード: ユーザーがクラウドドライブに「FileName01」というファイルをアップロードします。
- ファイル情報の取得: クラウドドライブから「FileName01」の作成情報を取得します。
- トランザクションの送信: DocuTrackerアプリケーションがファイル情報をブロックチェーンに送信します(これをトランザクションと呼びます)。
- ブロックへのデータ書き込み: ブロックチェーンで送信されたデータが承認され、ブロックにデータが書き込まれます。
- 保管日時の取得: 承認されたブロック情報を受け取り、その生成時間を保管日時として取得します。
データが承認されたブロックの生成時間をタイムスタンプ(保管日時)としてファイルに付与します。
このプロセスこそが電子帳簿保存法の要件に適合し、文書の信頼性と安全性を保証します。
〜 (デジタルデータの)アーカイブって何? 〜
「アーカイブ」ってたまに聞くワードかと思いますが保存記録や公文書という意味だそうです。
現在、様々なアプリケーションが世の中にはあり、そのデータを”アーカイブするケース”が増えてます。
データをアーカイブすることにより内容を確定させ、仮に変更・修正する場合には再度アーカイブするという風に何度もアーカイブする必要があるんですよね。
さらに、保存データの日時を不正に改ざんされた状態でアーカイブされるとアーカイブ自体の意味が無くなります。
これらは監査する側のITリテラシーの低さから発見されていない不正だとは思いますが、今後AI*やブロックチェーンに関する知見が広がる未来の世界では不正は簡単に発見されてしまうのかなと想像します。
そういう意味でアーカイブについても先を見越した対応が必要になってくるのではないでしょうか。
*人工知能(AI)とは:
コンピューターシステムが人間の知能の特徴を模倣する技術。学習・推論・問題解決・知覚・言語理解などの能力を人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム
公認会計士/税理士
ティータイム先生
個人から法人まで幅広く ”会計・財務・税務” をサポート。
無駄を嫌い、余暇と大阪をこよなく愛する公認会計士/税理士。
趣味:英国の紅茶を嗜むこと
信頼性の高い証明が簡単に出来るかが非常に重要
DocuTrackerを使うことで、電子帳簿保存法の要件を満たした上で、データの完全性と信頼性を保証できる利点があります。
さらにブロックチェーンの不変性により文書やデータが特定の時点で存在していたことを確実に証明することが可能です。
ブロックチェーン技術は複雑・難しそう等に思えるかもしれませんが、DocuTrackerのようなツールを活用することでブロックチェーンを意識せずにその強力な機能を簡単かつ効率的に利用できるのです。
デジタルデータの安全性と信頼性を高めたい場合にはDocuTrackerが最適な選択肢なのです。