タイムスタンプ
タイムスタンプ(保管日時)の仕組み
電子帳簿保存法の法改正によるタイムスタンプの扱い
電子帳簿保存法におけるタイムスタンプは、付与された時刻に文書(電子データ)が存在していたことを示す証拠です。
以前は、総務省が認定した時刻認証局(TSA)が発行するタイムスタンプを残すことにより、付与された時刻にその文書(電子データ)である必要がありましたが、電子帳簿保存法は令和6年1月1日の法改正により、下記のように要件を満たしていればタイムスタンプとして扱えるようになるタイムスタンプの扱いを大幅に緩和する変更がありました。
- 入力期間内にタイムスタンプを付与するとともに、保存をおこなう本人または監督責任者情報を確認できるようにしておく
- 入力事項の削除・訂正をおこなった履歴が残るシステムを利用する
- 入力事項の削除・訂正ができないシステムを利用する
- 入力や訂正、削除に関する事務処理規程を定めて、その規程に沿った運用をおこなう
DocuTrackerは、現状クラウドドライブをお使いのお客様の使い勝手をそのまま維持したまま、上記用件を満たす補助アプリケーションになります。
Tips
電子帳簿保存法に関しては、国税庁の特製サイトを参照ください。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/02.htm
DocuTrackerにおけるタイムスタンプ
DocuTrackerのタイムスタンプ(保管日時)の生成は、ブロックチェーンを使用して作成します。
総務省のタイムスタンプ認定との違いを示します。
項目 | 総務省のタイムスタンプ認定 | ブロックチェーン |
---|---|---|
時刻源 | NICT/TAA | ブロックチェーン自体のタイムサーバ機能 |
署名方法 | SSL公開鍵 | トランザクション |
デジタル署名ハッシュ | RFC3161及びRFC5816に準拠したタイムスタンプトークン(TST)ハッシュ | 保管証明ハッシュ |
ファイルタイムスタンプ時刻 | TSAに申請タイミング | ブロックチェーンのブロック生成タイミング |
ファイル検証 | MD5ファイルハッシュ | SHA256ファイルハッシュ/quickXorHash |
時刻検証 | 可能(ファイルハッシュとTSTを使って証明) | 可能(トランザクションがブロックに存在することで証明) |
Tips
ブロックチェーンに関する情報は、こちらを参照してください。
タイムスタンプの生成と信頼性
タイムスタンプ生成までの図を用いて説明します。
- クラウドドライブ上にファイル(file2023)をアップロード
- クラウドドライブからファイル(file2023)の作成情報を取得
- DocuTrackerアプリケーションがファイル情報をブロックチェーンにデータを送信(トランザクションと呼ばれます)
- ブロックチェーンで送信したデータが承認され、ブロックにデータが書き込まれる
- 承認されたブロック情報を受け取り、保管日時を取得
データが承認されたブロックの生成時間をタイムスタンプ(保管日時)としてファイルに付与します。
タイムスタンプ生成にブロックチェーンを利用することで 改竄できない ことは大きな利点です。
DocuTrackerで使用するプライベートブロックチェーンは、パブリックブロックチェーンとは違い単独で管理運用しているとはいえ機能は同等であり、承認されたブロックを後から変更することはできません。
もし強制的に変更しようとした場合、前後のブロック同士との不整合が発生し、ブロックの生成が停止し新しいタイムスタンプを作成することができなくなります。
そのため、 ブロックチェーンにおけるタイムスタンプは不変であり信頼性の高いデータとして扱うことができます。
Warning
ブロックチェーンへの書き込みから承認されるまで、およそ 10分程度 の時間がかかるため、タイムスタンプ(保管日時)は即時反映されず、ファイル履歴などでは 「トラック処理中」 と表示されます。